「遺品」と「遺留品」の違いを知ろう!それぞれの処分方法もご紹介!
よく似ている「遺品」と「遺留品」という言葉ですが、明確な違いを知っている人は意外に少ないのではないでしょうか?実は、遺品と遺留品は似ているようで意味合いが違っていて、処分方法も少しずつ異なります。今回はそれぞれの違いとともに、具体的な処分方法や整理の仕方を詳しく解説します。
遺品と遺留品はどう違うの?
まず、「遺品」と「遺留品」の違いですが、遺品は故人が生きていたころに持っていて、亡くなったあとに残されたもののことです。「亡くなった祖母の遺品を整理する」というように使われますよね。
一方、遺留品は持ち主が置いていった、または忘れていったもののことを指し、「犯人の遺留品を探す」というような使われ方をされます。遺留品という言葉を日常生活で使うことはあまりありませんが、刑事ドラマや犯罪を報道するニュースなどで耳にしたことがある人も多いはずです。
遺留品の場合、この「持ち主」がすでに亡くなっている故人という可能性もあるので、持ち主の生死に関わらず、広く「置いていかれたもの」という意味になります。遺品は持ち主が亡くなっていることが前提ですので、遺留品よりも意味合いが限定的です。似ているように思える「遺品」と「遺留品」ですが、実は微妙に異なる意味を持っているのです。
遺品の処分方法を知って悩ましい手続きをスムーズに!
亡くなった人の思い出が詰まっている遺品。すぐには気持ちの整理ができず、処分するのも気が進まないという人もたくさんいます。しかし、いつまでも置いておくわけにもいかず、いつかは片付けなければならない問題です。遺品の処理方法を知っていれば、もしものときも落ち着いて対処できるはず。ここでは、遺品整理の手順や処分方法を詳しく解説します。
遺言状やエンディングノートの確認
遺品整理に着手する前に、まずは故人が残した遺言状やエンディングノートがないか確認しましょう。遺品は故人の財産ですので、時には「この骨董品は○○に譲る」といったように、遺品の譲渡先が書き残されている場合もあります。たとえ法的な拘束力がないものだとしても、故人の遺志にはなるべく従ってあげたいですよね。
遺言状やエンディングノートがなくても、故人の遺産を相続する人物が複数いる場合は、トラブルを避けるためにも遺品の処理をどうするか話し合って確認しておくことが大切です。なお、相続を放棄したいと考えている人が遺産整理をしてしまうと、遺産を相続する意思があるものと見なされ放棄できなくなってしまうこともありますので、注意してください。
遺品の仕分けをする
次に、遺品の仕分けを行います。大まかに分けると、遺品は「相続や財産に関わるもの」「故人にまつわる思い入れのある品」「処分するもの」に分けられます。
まず、1つ目の「相続や財産に関わるもの」は通帳や土地の権利書、印鑑、各種書類、カード類などです。これらは処理する期日が決まっていることもありますし、遺産分割の際にも使用することがあるため、必ず最初に見つけて保管しておきましょう。
2つ目の「故人にまつわる品」ですが、これは写真や日記など、形見となるようなもののことを指します。場合によっては遺産に関わる情報を含んでいることもあるため、安易に処分せず取っておいたほうが安心です。
それ以外のものは、3つ目の「処分するもの」に含まれます。ゴミとして処理するものは自治体のルールに従って捨て、リサイクルできそうなものはリサイクルショップに売却するのがおすすめです。また、ぬいぐるみや本、傷んでいない衣服などは寄付として受け付けている団体もありますので、捨てるのがしのびないという場合はそういった団体を調べて問い合わせしてみるのもいいでしょう。
遺留品の整理の仕方、処分方法を徹底解説!
遺留品の整理も遺品の整理とほとんど同じ処理方法になります。ただし、注意しなければならないのは、遺留品の場合は持ち主が必ずしも亡くなっているとは限らないという点です。遺留品の持ち主が亡くなっていない場合は勝手に処分すると問題が生じる可能性もあります。また、遺留品の整理でよくあるのが、賃貸の物件で身寄りのない人が孤独死してしまったパターンです。
もし、相続人がいればその人に遺留品の処分をお願いすることができますが、たとえ相続人がいない場合でも賃貸物件のオーナーや管理会社が勝手に処分することはできません。
一般的に、相続人がいなければ財産管理人の選任の申立てをする必要があります。財産管理人は家庭裁判所によって選任され、普通は法的知識のある弁護士などが担当します。しかし、複雑な手続きも必要で、素人にはなかなか難しいため、できれば相続問題に詳しい弁護士を探して相談するのがおすすめです。
まとめ
このように、「遺品」と「遺留品」は似ているようで微妙に意味合いが異なります。実際に整理するときには、どちらも分別や仕分けをする必要がありほとんど同じ作業ですが、遺留品の場合は犯罪が関係していることや、複雑な事情もあるので、安易に整理を開始して処分してしまうのは危険です。また、遺品にせよ遺留品にせよ整理するのは心身ともに大変です。もとから片付いている部屋ならまだしも、ときにはゴミ屋敷のようになってしまっていることもあるでしょう。個人で処理するのが大変な場合は、専門業者に依頼することも検討してくださいね。