遺品整理で出た仏壇はどう処分する?具体的な方法や費用について解説!
故人の遺品整理をしているときに、処分方法に最も悩むのは仏壇かもしれません。宗教上の理由で引き継げない、引き継ぐにしても仏壇を置くスペースを確保できないなどの事情があり、やむなく処分しなければならない場合があります。本記事では、処分にはどんな取り扱いをするか、費用はどれくらいかかるのか解説していきます。
遺品整理で出た仏壇の処分方法
仏壇を処分する際に、仏壇を供養する儀式である閉眼供養が必要です(宗教・宗派によって呼び方が異なる場合もあります)。閉眼供養は、仏壇に宿る故人の魂を抜くための儀式のことです。閉眼供養をしなければならないというルールはありません。しかし、故人の魂を大切に扱う心を整理するためにも、閉眼供養するのがよいとされます。仏壇を処分する方法は4つあります。それぞれ特徴があるので、故人の意向、自分を含めた家族の宗教や都合を考慮したうえでじっくりと選びましょう。
菩提寺で処分する
多くの人が利用する仏壇の処理方法は、お寺への依頼です。先祖代々を供養してくれている菩提寺に依頼するのが最も一般的です。檀家として普段から付き合っている菩提寺があれば、相談も依頼もしやすいでしょう。宗教・宗派に基づき処分してくれるので安心です。檀家でなくとも、お寺によっては閉眼供養を含めた仏壇の処分を引き受けてくれる場合があります。お寺での処分を考えている方は、一度相談してみるとよいでしょう。
仏具店で処分する
仏具店は、仏壇や仏具を販売するほか、仏具の下取りや処分を引き受けるサービスを展開している場合が多いです。仏具店は、どの宗派であっても仏壇処分が依頼可能です。仏具店によっては、閉眼供養や処分の際の運搬サービスを合わせて利用できます。仏具店では、手順やスケジュールが明確でわかりやすいというメリットがあります。できるだけ早く処分したい方は、仏具店への依頼を検討してみるとよいでしょう。
専門業者に依頼する
仏壇を買い取りしてもらう方法もあります。買い取り業者に査定依頼し手続きできれば、買い取り金額をもらい仏壇が引き取られます。希少価値のある素材を使用していたり、美術品として価値があったりする仏壇は、高額で買い取ってもらえる可能性があります。ただし、仏壇の買い取り業者は少なく、運搬費用などに費用がかさんだり、閉眼供養を別途で依頼しなくてはならなかったり、どの処分方法よりも手間がかかるかもしれません。
そのほか、遺品整理業者でも仏壇処分の依頼が可能です。遺品整理業者の仏壇処理サービスは、仏壇の回収・運搬、宗派に合わせた閉眼供養やお焚き上げをまとめて引き受けます。サービス内容は業者ごとに差があります。作業内容を確認したうえで依頼を検討することをおすすめします。
自治体の粗大ごみとして処分する
閉眼供養後の仏壇は自治体の粗大ごみとして処分できます。費用が安く抑えられ、手続きが簡単であることから、自分で処分したい方に向いている方法です。粗大ごみに出す前に、閉眼供養だけ菩提寺に依頼してもよさそうです。粗大ごみとして処分する際は、自治体ごとに決められたルールがあるので、ホームページなどでよく確認しましょう。
遺品整理で出た仏壇を処分する際にかかる費用
仏壇を処分する際の方法ごとに費用に差があります。
菩提寺に依頼する場合は、費用がはっきりしていません。お布施という形で費用が発生しますが、1万~10万円といわれています。お布施は気持ちで渡すものなので金額に決まりがありません。迷った場合は事前に相談してみるとよいでしょう。
仏具店に依頼するとかかる費用の相場は2万~8万円です。速やかに手配してくれますが、ほかの処分方法と比較するとかかる費用はやや高めです。買い取り専門業者に依頼する場合、費用が発生せず、買い取り金額がもらえる場合があります。ただし、閉眼供養を別でお寺に依頼する場合は、お布施が必要です。
遺品整理業者は、処分のみで5,000~1万5,000円、回収と処分がセットで約2万円が相場です。閉眼供養を含んだセット価格で2万円程度の業者もあります。
粗大ごみとして処分する場合は、自治体ごとの粗大ごみ手数料の支払いが必要です。処分する仏壇のサイズによって500~2,000円程度かかります。
遺品整理で出た仏壇を処分する際に注意するべきポイント
仏壇を処分する際は、忘れずに仏壇の中身をすべてチェックしましょう。預金通帳や印鑑、宝飾品など貴重品の保管場所にされている場合があります。大切な物品を見落とし、仏壇の中に残したままにしていないか十分に確認しましょう。位牌や遺影、本尊などの仏具について、処分するか継承するかの今後の処置をしっかり検討しましょう。位牌などの仏具は仏壇がなくても継承・設置できるので、位牌だけ継承してもよいかもしれません。
仏壇や位牌などは、祭祀財産といい、親族の中で継承する人が一人だけ決まっています(祭祀継承者)。祭祀継承者が仏壇を引き継げない場合に、独断で処分を決めても法的な問題はありませんが、後々のトラブルの元になる可能性があります。処分する際は、家族や親族と時間をかけてじっくり検討しましょう。
まとめ
仏壇を処分するには、いくつかの方法があります。故人の魂を宿らせていた思い入れのある仏壇だからこそ、丁寧に処分したいものです。故人の意向をくんだうえで、家族や親族の皆が納得する処分方法をしっかりと話し合う必要があるでしょう。費用にも差があるので、何を優先にするかによって適する処分方法は違ってきます。最適な処分方法を検討し、最後まで心を込めて扱いましょう。