遺品整理をしていたら現金発見!遺産として申告する義務はある?
遺産整理をする際に現金や遺産を見つけるだけで終わっていませんか?実は現金を見つけた場合、遺産として報告しなければいけません。遺産整理は遺産の仕分けだけだと思われがちですが、実際遺産整理を行うと現金や思わぬ遺産が出てくることもあります。今回は、遺産整理で現金が出てきた時や遺産を売却した時の注意点についてご紹介します。
遺品整理で現金が出てきたら申告が必要?
遺品整理で現金が出てきた場合、どうするとよいのかわからなくなりますよね。もし、遺品整理で現金が出てきたら、故人の遺産の一部として相続税の課税対象になります。
現金は遺産扱いになる
遺産整理で出てきた現金も「遺産」として扱います。そのため、たとえ少額だったとしても、そのまま自分のものにできるわけではありません。他の遺産と同じように、遺産は相続人すべてに受け継がれるべきもので、遺産分割協を経たのちに処理されます。
遺産をスムーズに相続するなら遺産目録を作ろう
現金に限らず遺産整理で出てきた遺産をスムーズに相続するには、「遺産目録」があると便利です。遺産を相続することになれば、金額によって相続税を支払う必要があります。必ずしも遺産目録を作り提出する必要はないですが、遺産目録があれば相続申告や確認する際に非常に便利になるので余裕があれば作っておきましょう。
遺品を売却しても課税対象になる可能性がある
実は遺品を売却することになっても、課税対象になる品物があります。普通の生活様動産は課税されないため見逃しやすいです。注意して遺産整理を行いましょう。
遺産が生活用動産かを確認しよう
「生活用動産」とは、生きていくために必要なもの。一般的な家具や什器、家電などです。他には日常生活に必要な衣料品、自転車や自動車といったものまでが対象となります。
売却した遺産が「生活用動産」の場合には、得たお金に税金はかかりません。このように生活する上で必要とされるものであれば、課税の心配をしなくてもよさそうですね。
遺品の売却で課税対象になるものとは?
それでは遺品整理で課税対象になりやすいものを把握しておきましょう。それは「高級な生活用動産」「宝石骨董品といった娯楽品」「株などの証券」です。これらの遺品で1個または1組の価額が30万円を超えてくると、所得に課税されます。たとえば、売却額が25万円の指輪の場合、非課税になります。一方で、売却額が40万円の骨董品の場合は、課税対象になります。
ただ、遺品整理の売却で課税される時に知っておきたいことが「特別控除額」です。遺品整理において、税金の支払いを免除してくれる控除額の上限が50万円です。30万円まで非課税になるので、50万円で売れたものがあれば、課税額が差引で20万円。そして控除額が50万円なので、課税額が0円になるということです。
タンス預金は税務署にバレる?
みなさんの中に「タンス預金」をしている方はいらっしゃいますか?実は相続税を回避しようとタンス預金をしても、税務調査でバレてしまう可能性が高いのです。ここからは相続税におけるタンス預金について解説していきます。
タンス預金はバレるためすべきではない
そもそも「タンス預金」は、相続税の課税対象となるので申告する必要があるのです。相続税対策としてタンス預金して隠していても、高い確率で税務調査によってバレてしまいます。とくに100万円以上になると高い確率でバレるだけでなく、大きな損害を受けてしまうので、するべきではないでしょう。
なぜタンス預金がバレてしまうのか
では、なぜタンス預金が税務署にバレてしまうのか気になりますよね。実は税務署は強い調査権限を持っていて、被相続人だけでなく相続人の口座も調査できるのです。そのため相続人の預金口座を金融機関に照会をかけることで、入金の履歴を確認できます。数百万のお金が入金されたことがわかれば、税務調査ですぐにわかってしまうのです。
税務調査は申告後の1〜2年後のタイミング
基本的に、税務調査は相続税の申告書を提出してから1〜2年後に行われ、その可能性は全体の1割弱といわれています。ただ、納税額が大きい場合などは調査の入る可能性が高くなります。税務調査に入られると、8割以上の方が申告漏れや追加の納税を言い渡されるのです。
一方で、申告から2年経過すると、税務調査の可能性がかなり低くなり、5年経過すると不正行為が発見されない限り、時効によって徴収権が消滅するので、税務調査が入る可能性自体がなくなります。ただ、税務調査の入る可能性が低くなるからといって、絶対に入らないということにはならないので、タンス預金をするのはやめた方がよいでしょう。
みなさん、今回は遺産整理で出てきた現金の対処法やタンス預金の注意点などをご紹介しましたが、いかがでしたか?少額であれ、遺産整理で現金が出てきた場合には、申告する必要があり、タンス預金にしたとしてもいつかバレる可能性があるということがわかりましたね。税務調査は全体の1割弱とはいっても、納税額などが大きいなど税務署の目につくようなことが起きると、確率関係なしに税務調査が入ってしまいます。このページを参考にして、遺産整理における相続税をきちんと確認してみてください。