事前にチェック!遺品整理時に現金が出てきやすい場所はどこ?
亡くなった人の遺品を整理する際に、思わぬところから現金が出てくることは多いものです。もちろん、現金を保管する場所として一般的な金庫やタンス、机の中からも出てきますが、想定外の場所にも置かれていることがあるので、うっかり処分しないように注意が必要です。遺品整理時に現金が出てきやすい場所について解説しましょう。
遺品整理時に現金が出てきやすい場所
遺品整理の時に現金が出てきやすい、定番から意外なあの場所までを紹介します。
タンスの中
現金を入れておく場所として、タンスを選ぶ人も多いはずです。取りあえず保管しておくだけでなく隠す場所として選ばれることもあり、ある程度まとまった金額なら「タンス預金」などと呼ばれています。
注意したいのは、タンスに隠す場合は、引き出しを開けたらそこにきちんと揃えて置いてあるケースだけではないということです。衣類の間に挟んで置いたり、引き出しが二重になっていたり、隅から隅まで詳しくチェックしないと見落とすこともあります。
隠した本人が忘れてしまったお金もありますし、引き出しの奥に落ちてしまいそのままになっているケースもあります。タンスと同様に、引き出しがある机の中も現金が潜んでいる可能性が高いです。
キッチン
主婦ならではの隠し場所、キッチンからも現金が出てくることは多いものです。食器棚の引き出しに、買い物用の現金やお財布を置いておく場合もありますし、分からないように隠して置いてある場合もあります。冷蔵庫も現金が出てきやすい場所、食品に見せかけて冷凍庫にヘソクリや貴重品を入れている人も少なくないようです。
仏壇・神棚
故人が高齢者の場合、仏壇や神棚があればそこに現金を入れておくことも多いです。現金だけでなく、土地の権利書や株式証券、保険証券などをまとめて入れておくケースもよくみられます。
布団やカーペットの下
常に使用している布団の下や、掃除の際に頻繁にめくることがないカーペットの下などから、封筒に入った現金が出てくることもあります。
衣類のポケットやバッグの中
普段使用していたバッグや、上着などの衣類のポケットから現金が出てくることも多いです。これらは隠しておいたお金とは違い、生活していく上で必要なお金がそのままになっているか、何気なくポケットに入れておいたお金などです。
遺品整理時に現金が出てきた際の対応
遺品整理の時に出てきたお金だから、整理を行っている遺族がその場でもらってもいいと思うかもしれません。しかし、どんなに少額でもそれはNG、出てきた現金は故人の遺産であり、遺族がもらうにしても手続きを行わなければなりません。
相続人全員で話し合う
遺品整理で居合わせた遺族だけでなく、相続する権利がある人全員で遺産の分け方を決定しなければなりません。遺産相続ではたとえ少額でも分け方に不満があると揉めるもの、兄弟姉妹など身内で争うことがないように、出てきた現金はちゃんと申告してください。
遺産目録を作成する
遺産を相続すれば相続税を支払う必要があり、相続税がいくらになるのか、計算するために「遺産目録」を作成しておくことがおすすめです。遺産目録は、法的な手続きで必要な書類ではありませんが、相続税を申告する際に手間を省くことができ役立ちます。
目録には遺品整理で見つかったお金も載せますが、整理の際にお金を発見した人次第では、実際によりも少ない金額になることもあるでしょう。ですから、遺品整理は相続人全員で立ち合うことが理想、そうすることで不公平が生じるリスクを避けることができます。
遺産分割協議は専門家に相談して行う
遺産を誰がどのくらいもらうか、たとえ仲のよい家族であってもお金のこととなると揉めるものです。遺産の分け方は、もし遺言書があればそれに従いますが、そうでない場合は話し合って決めることになります。これを「遺産分割協議」といいますが、専門家に遺産目録を提示して相談するのがおすすめです。
相続税を支払う
遺産を相続したら税務署に相続税の申告を行います。相続税の納付は申告期限までに現金一括納付することが必要であり、期限を過ぎてしまうと相続税額の10%もの無申告加算税が追徴されるので注意してください。
遺品整理時の現金トラブルを防ぐ対策
故人の遺品を整理する際、遺族が行うのではなく遺品整理業者に依頼することも増えてきています。遺品整理業者の中には、整理中に発見した現金や貴金属などの貴重品を遺族に渡さず、着服してしまう悪徳業者も存在するようです。そのようなトラブルを防ぐために、次のポイントを押さえるようにしてください。
依頼する前に確認しておく
遺品整理業者に作業を依頼する前に、まず遺族が現金や貴金属などの貴重品があるかどうか、しっかりと確認しておくようにします。また、現金や貴重品ではなくても、故人の想いがこもった遺品や、受け継ぎたいものが見つかることがあるので、それらも確認しておきましょう。
遺品整理業者側では、遺族にとって価値がある品かどうかを判断できませんから、現金や貴重品ではない品物はそのまま不用品として処分してしまう可能性があります。
遺品整理の作業に立ち会う
遺品整理を依頼する場合、依頼人は必ずしも立ち会う必要がないのですが、前もって現金や貴重品を回収するのが難しい場合は、作業に立ち会い遺品を確認するのがおすすめです。
現金が発見できず処分されてしまうのは避けたいもの、また、遺品整理を業者に依頼する場合には着服にも注意が必要です。遺品の中に現金や貴重品がないか、本格的な遺品整理の前に現金が隠されていそうな場所をしっかりとチェックしてください。業者に作業を依頼する際には立ち会うのがおすすめですが、遺品整理のプロである信頼できる業者なら、素人が見逃しがちな場所の現金も見つけ出してくれる可能性もあります。